2008/07/23

オリジナルお墓募集!の結果

4月に募集させて頂いておりました・・・
「語りかけてくるお墓・・。オリジナルお墓募集」!!
結果を発表させて頂きます。

大変遅くなり、申し訳ございません・・・
更新は? お墓募集の結果は?など、何人かの方にも
お問い合わせを頂きました・・申し訳ございませんでした。。

募集の結果、68名もの方にご応募いただきました。
想像以上の作品数と、力作揃いにスタッフ一同驚かされました。。。
どれも素晴らしい作品で、この中から選ぶのか・・・・・と、
募集はさせて頂いたものの、「審査する」という責任の重さを実感しながら、
大変な作業ではありましたが、一つ一つの作品をじっくり拝見させて頂きました。


それでは結果を発表させて頂きます。



最優秀賞(1名)は・・・

今治市 中原幸恵 様(学生)に決定いたしました!


作品タイトルは 「おばあさんの花と猫」
作品タイトルにグッと惹かれるものがありました。故人と一緒に暮らしてきた猫が傍らでそっと眠っている佇まいにも強い想いを感じさせる素晴らしい作品だと思います。コンセプトも明確で、それらひとつひとつが作品の中に機能的な条件を満たしながら表現された非常に完成度が高く、すぐにでも実際に建立可能なまでの内容であると思います。猫はあえて陶器で表現するなどそれぞれの素材感も生かされており、 デザイン図からくる配置バランスも非常に整ったお墓です。お墓参りに訪れた方が、故人の生前の風景の前に立ち、自然と花を添え、そっと手を合わせる・・・そしてそこにはやさしく故人の傍らで穏やかな表情で眠る猫が寄り添う・・・そんなやさしい風景が目に浮かぶ素敵なお墓です。


実際に建立をさせていただいた場合、どんな風になるか・・・・
シュミレーション画像を作ってみました。
(作者様のやわらかく、やさしいタッチには全然及びませんが・・・・・)
参考までに。。。




続きまして・・・

佳作(2名)は

松山市 伊藤智也 様(学生)


作品タイトルは 「海が好きだから」
70歳の海一筋で生きてきた漁師さんのお墓を想定して考えられたお墓で、夫婦の強い絆を感じる、訪れた人の心を打つ素晴らしいお墓だと思います。奥様の名前が付けられた船。きっと奥様はこのお墓の前に立つ度に、ご主人のことを想い出し、涙を流されるんだろう・・と思います。このお墓の肝は、奥様の名前の船であると思います。背景を想像するに、普段は無口で仕事一筋だったご主人ですが、自分が他界する際、自身からの奥様への感謝・愛情・想いを伝えるために、船に名前を付けたんだと思います。奥様の存在があったから自分は好きなこと、仕事に夢中になれた。奥様がいたから、自分は必死で頑張ってきた・・そういった強いメッセージがこのお墓からは伝わってきます。お墓を訪れた奥様は、ご主人が安心して漁に出られるように、沢山の水をお墓に注いであげるのだと思います。私の勝手な想像ではありますが、このお墓からは強烈なメッセージが伝わってきます。お墓とはこうあるべきだと強く再認識させられた素晴らしい作品であると思います。


佳作

松山市 谷口阿弓 様(学生)


作品タイトルは 「~おばあちゃんの庭~」
ご自身の亡くなられたおばあちゃんへの想いをカタチにされたお墓です。
心和む穏やかな色合いと作品コンセプトが自然に溶け合い、スッと作品に入り込める不思議な感覚に捕らわれた作品です。作者様のおばあちゃんへの優しい想いから生まれたこの作品は、ご自身、ご家族がお墓参りをされた時までも想像された非常に完成度の高い、思いやりに溢れたお墓だと思います。シンプルな構成の中に、いくつかの素材を重ねていき、またそれらが明確な意味を持って存在しています。深く考え込まれたこのお墓からは、余分な部分は一切存在しない、また何かひとつが欠けてもバランスを壊してしまうような、究極にシンプルなバランス感覚を感じます。実際に建立した風景を見たい・・そう思ってしまう素晴らしい作品だと思います。新しい命が咲く場所。是非この作品を制作された過程での作者様のお気持ちをいつまでも大切にして頂きたいと思います。



本来であれば、以上3名様の予定でしたが、
急遽! 社長賞を設定させて頂きました。
社長賞に選ばせて頂いたのは・・・・

松山市 伊勢本陽平 様(学生)です!




作品タイトルは 「永遠の愛」
仲の良かった御夫婦のお墓で、オリジナルの仕掛けのアイデアを盛り込み、シンプルな中に奥行きを感じるお墓です。電気的な仕掛けではなく、自然の力を利用した仕掛けの発想も現実的であり、そこから伝わってくるメッセージに深みを持たせています。コンセプトから想像すると、メルヘンチックな雰囲気なのですが、デザイン図においてはどこかシュールな雰囲気が漂い、非常に興味をそそられる作品だと思います。愛=ハートは一般的によく利用されるモチーフですが、作者様はあえてそこをストレートに狙わず、シルエットでの表現としたところは、一見普通に見えて実は・・・という視覚的だけではなく、見る人の心に直接語りかけていく素晴らしい、よく考えられているな・・・と唸らせる部分だと思います。また墓石自体も一つ一つ微妙にカタチを変えたり、単なるシルエットの利用だけでなく、結婚記念日の正午になると、二つの石の影がハート型になるという、時間を意識したコンセプトについても非常に深く煮詰められており、作品全体から作品づくりの巧さが伝わってくる素晴らしい作品だと思います。


以上 4名の皆様おめでとうございます。

先にも述べましたが、本当に審査は大変でした。

想像以上の方・・68名もの方にご応募頂き、また内容的にも私共の想像を越える非常に濃い作品ばかりで驚くことが沢山の今回の募集だったと感じております。

普段の生活の中で、あまり馴染みが無いであろうお墓と言うものについて、皆様、特に若い世代の皆様方がどんな風に思っているのか・・・どんなお墓が理想だと感じているのか・・・その事に非常に興味を持ったのが今回の募集のきっかけでした。結果的に集まった作品はどれも素晴らしく、私たちがまず考え付かないような斬新なアイデア!私たちが大いに反省しなければ・・と感じた既存のお墓文化への指摘!私たちが忘れかけてしまっていた、純粋な気持ち、考え・・・ひとつひとつ作品を拝見させて頂き、わたしたちも大切な勉強をさせて頂いたと感じております。


昨今、お墓もデザインの時代・・・などと言われる事もありますが、私たちは、それらを「デザイン墓石」とは考えておらず、又そうとは呼ばないようにしております。お墓のデザインはあくまでも、故人の想いをカタチに表したものであり、決して万人の方に受けるものでなくてもよい・・・決してデザイン性が優れているから良いお墓という訳ではない!と考えております。お墓から伝わる、その人ならではのメッセージ・・・お墓からその人ならではの想い・人生が感じられるお墓・・・それらを総称して「オリジナルの墓石」であると考えております。

今回の募集をきっかけにして、私たちはもちろんとして、時代を担う若い世代の皆様方が、「お墓」というものについて、色々と考えた時間が過ごせたと私たちは思っております。皆様方も、今後少しでも「お墓」というものの見方がちょっと変わったかも・・・と感じて頂ければうれしいと思います。長々とすみません。最後になりますがこの度はご応募本当にありがとうございました。